コラム

産業カウンセラー/臨床心理士 緒方俊雄のコラムです。

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ストレスフリーな生き方を目指して(その1) ~人生を楽しもう~

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しばらくの間、シリーズでいかにしてストレスの無い生活を送るかを考えてみたいと思います。

私がカウンセリングを始めてから感じていることがあります。カウンセリングを受けにくる人には、真面目で、がんばる人が多いのです。周りの人にも気を使っていい人です。カウンセリングを受けに来ないまでも、真面目で、ガンバリ屋さんの、いい人は大体疲れています。

これに対して、ものすごくエネルギッシュな人がいます。夜遅くまで仕事をして、それから酒を飲んで、次の朝は元気に部下を怒っている人たちです。面白いことにこういった人を観察していると大体、自分の思い通りに自由に生きていて、わがままなことが分かります。なるほどと心当たりの人がいるのではないですか。

私が以前、ソニーに勤めていた時に、ソニーの創業者の井深さん、盛田さん、大賀さんの秘書長を務められた初老の男性と一緒に食事したことがあります。井深さん、盛田さん、大賀さんは世界のソニーを築いたのですから、仕事はもちろん凄いのですが、趣味も本当に豊富です。井深さんは敬虔なクリスチャンで、幼児教育に熱心でした。盛田さんは70歳を過ぎてから、テニス、スキー、スキューバーダイビングを始めました。どれもさまになっています。大賀さんは声楽の出身で、オーケストラの指揮は有名ですが、乗っている車はジャガーで、飛行機と船を持っていて、自分で乗り回していました。3人とも社長業が大変なはずなのに、趣味が豊富で、人生を楽しんでいます。

この秘書長をやられていた男性に、「3人とも、人生を楽しんでいますよね」と聞いてみました。すると、「そうなんですよ、3人とも好奇心旺盛で、どんどん自分のやりたいことをやっていくんですよ」と言われます。なるほど、井深さん、盛田さん、大賀さんの瞳が幼児のように輝いているのはこのためだと思いました。

盛田さんは2年先までスケジュールが入っていることで有名でした。それでh、「盛田さんは70歳でスキーを始めましたが、転んで骨折して、スケジュールに穴を空けたりと心配しないのですか」と伺ってみました。すると、「自分がやりたいことがあると、他のことは気にならなくて、どうしてもそのことをやるんですよ」という答えです。「でも、周りの人は大変です」と話し始めました。なんと、盛田さんがスキーをする時は、他の人がぶつかると悪いので、ソニーのスキー部の4人が周りを取り囲んで滑るというのです。スキューバーダイビングでは、普通1人では危ないので、2人で潜りますが、盛田さんが潜る時は、盛田さんの他に3人が潜るというのです。テニスではソニーでテニス一番上手い人が相手をするのですが、余り離れたところにボールを出すと盛田さんが転んでしまうかもしれないし、近いところにボールを出すと盛田さんが面白くないので、ほどほどの所にボールを出すのだそうです。それを1時間続けると、盛田さんは「楽しかった、どうもありがとう」と元気に帰っていきますが、相手をした人はぐったりと疲れてしまうそうです。

盛田さんも周りの人に迷惑をかけているのは分かっていても、どうしてもやりたいことをやらずにはいられなかったのでしょう。

人は嫌なことをすると直ぐに疲れてしまいますが、自分がやりたいことは楽しいので、なかなか疲れません。楽しいことをするときはストレスがかからないのです。人に迷惑をかけないのであれば、井深さん、盛田さん、大賀さんのように好きなことをやって人生を楽しんだ方がストレスがかからないで、元気でいられますよ。

  • 2012年10月21日(日)12時01分

ちょっといい話

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先日、私の友達から聞いたちょっといい話を紹介します。

その友達は仕事でフィリピンに出張しました。マニラでの仕事が終わり、バンタンガスへのバスに乗りました。

席に着くと、隣に座った人が「どこから来たんだ?」と話しかけてきました。私の友人は「日本から」と答えました。

「日本人はみんなお金持ちでいいなぁ」と隣の人。友人は「日本にもお金持ちの人と貧乏な人がいるんだ。僕は貧乏なんだ」と答えました。

すると隣の人はびっくりした表情をしたそうです。そして、突然立ち上がり、「みんな聞いてくれ。この人は日本から来ているんだが、お金が無くて困っているそうだ」と大きな声で、バスの中の人に呼びかけたのです。

バスの中の人もびっくりしました。そして、私の友人のところに群がりました。「日本から来ているのに、お金がないなんて、何てかわいそうな人なんだ」と呟きながら、コインを渡していくのです。私の友人よりも、ずっと貧乏なはずなのに。

友人もびっくりしました。何と言っていいかわからないうちに、友人の両手はコインで一杯になっていました。申し訳なくなりました。実は、何かあると悪いと思い、お腹に40万円巻いていたのです。でもいまさら何も言えません。

お腹のお金よりも、掌のお金の方がずっと価値のあるものに思えました。そして、申し訳ないと思いながらも、とても暖かな気持ちでバスを降りたそうです。

この話をしてくれた後で、友達が「緒方、人は貧しい方が幸せなのかもしれないなぁ」と呟きました。この他にもフィリピンの家に招待されて、家の中を見ると貧しいのに、本当に優しく接待してもらったことが何回もあったそうです。

友人の話を聞いて、こんな人々に囲まれていたら、心の病気になる人も少ないだろうなぁと私も暖かい気持ちになりました。日本人は豊かになっていく間に、何か大切なものを置き忘れてしまったのかもしれません。

  • 2012年09月27日(木)10時39分

自分の考えを平均と思っていませんか

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携帯メールの返信がなかなか来なくてイライラしたり、待ち合わせ時間に相手が来なくてイライラしたりしていませんか。
また、何であの人はあんなことをするんだろうと腹を立てていませんか。

他の人のことで腹を立てている時をよくよく考えてみると、自分と同じ考えや行動を他に人にも求めていることが分かります。

他の人からメールが来ると直ぐに返信する人は他の人にメールをしても、直ぐに返信が来ないとイライラします。
そして、相手に何かあったのではないかと心配になります。
しかし、相手の人はめったに携帯のメールをチェックしない人かもしれません。
メールを書くのを後回しにする人かもしれません。
忙しくてメールをする時間が取れないかもしれません。
いい加減な人でメールをするのを忘れてしまったのかもしれません。
直ぐにメールしないのが、相手にとっては普通の行動かもしれないのです。

いろいろな外国の国に行くと、大体電車の時間はいい加減です。
30分遅れ位は定刻です。
また、どの国の人も大体会議に遅れてきます。
日本では会議に遅れて来る方が困った人かもしれませんが、世界では会議に遅れないで来る方が変わった人かもしれません。
何しろ、「日本の常識は世界の非常識」ですから。

このように、人は自分の考えや行動を平均だと考えがちです。
そして、他の人が自分が期待しているのと違う考えや行動をするとイライラして、異常だと考えがちです。

しかし、人の行動や考えは育った環境、時代、地域によりまちまちです。
人の行動や考えは絵具の色のようなものではないでしょうか。
赤、青、緑、黄色、オレンジ、紫、・・・。
どの色が平均だということはありません。
人の考えや行動も十人十色で、どの考えが平均などということはないのではないでしょうか。

自分の考えや行動を相手にもあてはめ、それと違った考えや行動にイライラしていると疲れちゃいますよ。
他の人のことでイライラした時は、自分の考えや行動を相手にもあてはめていないかと考えてみましょう。

  • 2012年09月09日(日)10時27分